COLUMN

インターネット広告の配信ロジックとオークション形式

  • AdTech

広告配信の仕組みの移り変わりにより、配信にかかるコストも変化しています。

この記事では広告配信の仕組みとオークション形式について説明します。

インターネット広告の配信ロジック

どこどこadは広告主の為のプラットフォームを提供するDSP(Demand-Side Platform)サービスです。

DSPに対して、広告枠を提供する媒体(ウェブサイト)側のプラットフォームであるSSP(Supply Side Platform)が存在します。

両者の間でRTB(Real Time Bidding)という入札のオークションが瞬時に行われることでウェブサイトへ広告が配信されます。

下図は、ウェブサイトのアクセスから広告が表示されるまでの流れを簡単に表したものです。

SSPはアクセスの発生に応じて複数のDSPに入札を呼びかけます。DSPが入札を行い、SSPはその中で最も広告収益が大きくなる広告(図ではB)を表示します。

2つのオークション形式

広告配信ではオークションにより表示する広告が選ばれています。

オークションには落札者が支払う金額の違いにより2つの形式が存在します。

ひとつは「ファーストプライスオークション」といい、一番高い入札額を提示したDSPが落札し落札者は「提示した金額」を支払います。

これに対し、一番高い入札額を提示したDSPが落札するのはかわりませんが、落札者が支払う金額は「2番目に高い入札額に1円を加えた金額」となる「セカンドプライスオークション」という方式が存在します。
下の図の例でDSP Cが落札するのは変わりませんが、DSP Cが支払う金額は2番目に高いDSP Bが提示した金額プラス1円となります。

広告取引でどちらのオークション方式が選択されるかは、SSPより提示されます。

オークション形式の移り変わり

従来はセカンドプライスオークションでの広告取引が一般的でした。

しかし、媒体側の配信ロジックの移り変わりにより、2つのオークション形式の比率も変化が見られました。

セカンドプライスオークションは広告主には負担が少ない仕組みではありましたが、媒体側にとっては広告枠の単価を上げる機会を逃すことが多く、結果として媒体側の収益の最大化が出来ないような状況でした。

その中で、媒体側に「ヘッダービティング」という「最も単価の高い広告を表示する」という仕組みが登場しました。

ヘッダービディングによる広告取引は次のような流れになります。

  1. ウェブサイトへアクセスが発生
  2. 広告枠からヘッダービディング専用サーバへリクエスト
  3. ヘッダービディング専用サーバ内で候補の中から最高単価の広告が仮で選ばれる
  4. 上記で選ばれた広告が他の広告とオークションにかけられる
  5. オークションにより最高単価の広告が決定し、ウェブサイトへ表示される

流れに示されている通り、ヘッダービディングは落札者が一番高い入札額を支払うファーストプライスオークションとなります。

この仕組みのメリットの多くは媒体側にあります。最高単価の広告を採用することができるため、媒体側の収益最大化が期待できることです。

2018年にGoogle社がファーストプライスオークションを採用したことにより、国内の他SSPでも対応が進みファーストプライスオークションの割合が急速に増加していきました。

これにより、近年ではファーストプライスオークションでの広告取引が主流となっています。

どこどこadでのCPM設定

どこどこadでも媒体側の変化を受けファーストプライスオークションでの広告取引が大部分を占めるようになってきました。

他DSPとのオークションで勝利するためには他の入札者より高い入札額を提示しなければなりません。セカンドプライスオークションではどこどこadで設定するCPMが消化される金額の最大値となります。

しかし、ファーストプライスオークションの取引であった場合、設定したCPMが落札時にそのまま消化される金額となるため、セカンドプライスオークションに比べて必要以上の金額を支払う可能性もあります。

2022年4月12日のアップデートで管理画面から設定できるCPMの下限を変更いたしました。低めの金額でCPMを設定することで広告配信にかかるコストを調整することができます。1,000円以上など高額なCPMを設定するとオークションでの勝率が上がりインプレッションを確保出来る場合がありますが、ファーストプライスオークションの取引によりコストが高くなってしまう可能性があるため、100円以下の低額から配信をお試しください。

CPM設定に加えてお客様に最適なターゲティング設定を提案できるような補助機能についても、今後の開発で検討しております。

まとめ

インターネット広告を表示するための広告取引ではファーストプライスオークションが一般的になります。

どこどこadではお客様のタイミングでCPMを変更することが可能になっています。広告配信のコスト調整にぜひお役立てください。

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